Perfumeのドキュメンタリー映画は、2本あります。
2026年公開の『Perfume”コールドスリープ”-25 years Document-』と、2015年公開の『WE ARE Perfume -WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』。
この記事では、その2本を比較します。
何が違うのか。
どこがつながっているのか。
そして「2本あるらしいけど、どっちから観ればいい?」という疑問にも答えます。

筆者は『コールドスリープ』を映画館で7回観ました。
そして2026年7月、10年ぶりに『WE ARE Perfume』も映画館のスクリーンで観直しています。
そこで気づいたことがありました。この2本、続けて観るとまったく違って見えるんです。
⚠️この記事には若干のネタバレが含まれます。
結論|2本は「10年越しの前編と後編」です
先に結論から!
この2本は、別々の映画でありながら「10年越しの前編と後編」のような関係にあります。
同じ佐渡岳利監督が、10年の間隔を空けて撮った2本。配給会社も同じ。上映時間まで、ほぼ同じです。そして続けて観ると、2本の構成が重なっていることに気づきます。
だから、おすすめの観方は2本続けて、公開順で。10年前に世界へ挑んでいた3人を先に観てから最新作へ進むと、時間の重みがそのまま伝わってきます。『コールドスリープ』が、”10年前のあの3人の続き”に見えてくるはずです。
ただし、これは絶対ではありません。
『コールドスリープ』1本だけでも、まったく問題なく成立します。最新作はPerfumeのデビューからの歴史も描いているので、1本目として観ても迷子になりません。
- Perfumeを最近知った方 → 『WE ARE Perfume』から
- 『コールドスリープ』を映画館で観た方 → 前作を答え合わせとして
- どちらも未見で時間が限られる方 → 『コールドスリープ』1本でも成立
詳しいタイプ別のガイドは記事の後半でまとめています。
ただ、ひとつ先にお伝えしておくことがあります。
『WE ARE Perfume』は現在、劇場で上映されていません。観る手段はBlu-ray・DVDが中心になります。
「前作から観たいけど、どうやって?」という方は、記事の後半にある「2本を観る方法」で具体的にまとめていますので、そちらをご覧ください。
Perfumeのドキュメンタリー映画は、この2本
まず、それぞれがどんな作品なのかを整理しておきます。
『WE ARE Perfume -WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』(2015年)
Perfume初のドキュメンタリー映画です。
題材は2014年に行われた海外ツアー「Perfume WORLD TOUR 3rd」と、2015年3月にアメリカ・テキサスで開催された音楽フェス「SXSW 2015」への出演。アジア、ヨーロッパ、アメリカと世界を回る3人に、約2か月にわたって密着した作品です。
結成15周年・メジャーデビュー10周年という節目の記念作でもありました。第28回東京国際映画祭のパノラマ部門に正式招待され、ドキュメンタリー映画としては史上初となる日米同時公開も実現しています。
公演ごとに何時間もかけて行われる、通称「ダメ出し会」の様子。わずかな休みを楽しむ等身大の3人。そういった舞台裏がしっかり収められているのも特徴です。
主題歌は「STAR TRAIN」でした。
ひとつ興味深いのが、この作品の作り方です。
周年の記念作でありながら、佐渡監督はあえて周年的な要素を入れなかったそうです。過去を振り返るのではなく、今を必死に生きる姿を映す。そうすれば一歩ずつ歩んできた成長は自然と伝わるから、という考えだったといいます。
この方針の違いが、そのまま2本の性格の違いになっています。
『Perfume”コールドスリープ”-25 years Document-』(2026年)
結成25周年・メジャーデビュー20周年の節目に制作された、2本目のドキュメンタリーです。
2025年9月21日、Perfumeは2026年からのコールドスリープを発表しました。その翌日から行われた東京ドーム公演「Perfume ZO/Z5 Anniversary “ネビュラロマンス” Episode TOKYO DOME」をはじめ、コールドスリープに至るまでの裏側に密着しています。
結成から現在までの軌跡を未公開映像とともに辿り、3人それぞれへの独占インタビューも収録。
前作がワールドツアーという「一点」に密着した作品だとすれば、こちらは25年という「時間」を見つめた作品です。
前作が意識的に避けた「歴史を振り返る」という要素を、最新作は正面から引き受けています。10年を挟んで、監督の作り方が反転しているのが面白いところです。
2本を比べてみる
| WE ARE Perfume | コールドスリープ | |
|---|---|---|
| 公開 | 2015年10月31日 | 2026年5月15日 |
| 上映時間 | 120分 | 117分 |
| 監督 | 佐渡岳利 | |
| 配給 | 日活(両作とも) | |
| 題材 | WORLD TOUR 3rd/SXSW 2015 | 25年の軌跡/東京ドーム公演/コールドスリープ発表後 |
| 節目 | 結成15周年・メジャーデビュー10周年 | 結成25周年・メジャーデビュー20周年 |
| 円盤 | 2016年7月6日発売 | 未発表(2026年8月時点) |
| 配信 | 取扱いを確認できず | 未発表(2026年8月時点) |
並べてみると面白いことに気づきます。120分と117分。ほぼ同じ尺です。配給も監督も同じ。
10年空いているのに、器のサイズがそろっている。
偶然かもしれませんが、続けて観ると妙にしっくりくる理由のひとつかもしれませんね。
『WORLD TOUR 3rd』のライブ映像作品とは別物です
ここで、混同しやすい点をひとつ。
『WE ARE Perfume』が題材にしたワールドツアーは、『Perfume WORLD TOUR 3rd』というライブ映像作品としても別途リリースされています。
つまりこういう関係です。
- 『Perfume WORLD TOUR 3rd』=ライブ映像作品。ライブそのものを観るもの
- 『WE ARE Perfume』=ドキュメンタリー映画。舞台裏と3人を追うもの
正直に書いておくと、この2つは内容がまあまあ被ります。
『WORLD TOUR 3rd』の特典にも短いツアードキュメントが付いているため、筆者も観ながら「あれ、これどこかで見たな」と思う場面がありました。
ただ、被っているのは素材であって、作品としての役割は別です。ライブを通しで浴びたいなら『WORLD TOUR 3rd』、3人の姿を追いたいなら『WE ARE Perfume』。そう考えると選びやすいと思います。
👇️ライブ映像作品については別途まとめています
同じ監督が、10年の間隔で撮った
2本を語るうえで外せないのが、どちらも佐渡岳利監督の作品だという事実です。
両作共に監督・撮影・編集・プロデューサーを兼ねています。監督本人もカメラを回していたということです。

Perfumeとの縁は、映画より前から続いていた
佐渡監督は1990年にNHKへ入局し、現在はNHKエンタープライズのエグゼクティブプロデューサーを務めています。
手がけてきたのは「紅白歌合戦」「MUSIC JAPAN」「スコラ 坂本龍一 音楽の学校」といった音楽番組。そして重要なのがここです。
NHKで放送されたPerfumeのドキュメンタリー番組は、すべてこの方がプロデュースしています。
Perfumeとの縁は古く、3人が司会を務めた「MUSIC JAPAN」より前から続いているとのこと。監督自身、この番組には特別な思い入れがあると語っています。
つまり映画2本というのは、いきなり始まった関係ではありません。音楽番組を通じた長い付き合いがあって、その延長線上に2015年の『WE ARE Perfume』があった。前作の総撮影時間は500時間を超えたそうです。
ちなみに配給が2本とも日活である点も、こうした制作の背景と無関係ではないのかもしれません。
気づくと符合していること
監督の経歴を知ると、思わぬところがつながって見えてきます。
ひとつは坂本龍一さん。監督は「スコラ 坂本龍一 音楽の学校」を手がけていました。そして2026年の『WE ARE Perfume』再上映が行われたのは、坂本さんが音響監修を務めた映画館です。
この点について監督自身も、上映後の舞台挨拶で感慨深いという趣旨のことを語っていたそうです。かつて番組をともにした方が手がけた音響で、自分の映画が上映される。偶然にしてはできすぎた巡り合わせですね。
もうひとつが細野晴臣さん。監督は細野さんのドキュメンタリー映画も撮っています(『NO SMOKING』『SAYONARA AMERICA』)。2025年5月のMUSIC AWARDS JAPANでPerfumeも登場したオープニング映像は、細野さんのスピーチに続いて上映されたものでした。
もちろん、これらは偶然の重なりかもしれません。ただ日本の音楽シーンを長く記録してきた人が撮っている、という事実は、2本を観るうえで頭の片隅に置いておくと面白いと思います。
10年前を撮った人が、10年後も撮る
『コールドスリープ』の制作では、素材が50テラバイトに達したそうです。
ブレイク前の映像は入手が難しく、所属事務所やメンバーのご家族が保管していたVHSやMiniDVを借りて使用したとのこと。再生できるデッキを探すところから始めなければならなかったといいます。
10年前に世界へ挑む3人を撮った人が、10年後にコールドスリープへ向かう3人を撮る。しかもその手元には、デビュー前からの記録が集まっている。
この事実を知っているだけで、2本目の見え方がだいぶ変わります。カメラの向こうにいる人が、ずっと同じなんですから。
2本を観ていて思うのは、この監督だからこそ撮れた画がかなりあるということです。
特別な取材日にカメラが入るのではなく、常に現場にいて、自分でカメラを回している。だから3人の表情に構えがありません。長い付き合いがあるからこその距離の近さが、そのまま画に出ていると感じます。
実はこれ、あ〜ちゃん自身も前作の公開時に近いことを話しています。
第28回東京国際映画祭でのインタビューで、監督が自然に撮るのがうまくて、カメラがいないと思って喋っていたことまで全部映画に入っていた、という趣旨のことを語っていました。撮られている意識が消えるほど、監督が現場に溶け込んでいたということだと思います。
10年ぶりに、映画館で『WE ARE Perfume』を観直した
ここからが、この記事の本題です。
2026年7月、109シネマズプレミアム新宿での限定上映
2026年7月、『WE ARE Perfume』の限定再上映が行われました。
会場は109シネマズプレミアム新宿。東急歌舞伎町タワー内にある劇場で、2023年4月のオープン時から坂本龍一さんが全8シアターの音響監修を手がけたことで知られています。音響システムの名は「SAION -SR EDITION-」。

筆者はこの回に足を運びました。
もちろん、この映画が公開された2015年にもリアルタイムで鑑賞しています。
初鑑賞は2015年9月25日、TOHOシネマズららぽーと横浜で行われたP.T.A.会員限定の先行上映。一般公開の1か月以上前でした。当時の半券はいまも手元に残しています。
その後も劇場で2回は観ているので、最低3回はスクリーンで観たことになります。

あれから10年。ひさしぶりに、大きなスクリーンで『WE ARE Perfume』と向き合いました。
「一緒や!」と声が出そうになった
観ているうちに、あることに気づきました。
2本の構成が、一致している。
気づいたのは2点です。
⚠️以下、若干のネタバレを含みます。
① クライマックスのライブシーンが一致している
2本とも、映画のクライマックスに置かれているライブシーンが同じ曲なんです。
ただし描かれ方は違いました。
| 描かれ方 | |
|---|---|
| WE ARE Perfume | ニューヨーク公演のライブシーンをメインに、それまでツアーで訪れた各地のシーンが差し込まれる |
| コールドスリープ | コールドスリープ前、最後の東京ドーム公演のシーン。Perfume3人だけでなく、MIKIKO先生、ステージサイドのスタッフ、客席のファンの姿も差し込まれる |
『コールドスリープ』では、スタッフもファンも、ステージの3人と同じお馴染みの振りを合わせて踊っている姿が記録されていました。
Perfumeライブの醍醐味そのもの、という多幸感のあるシーンでした。筆者は7回とも、ここで泣いています😭😭😭
そして観終わってから、ふと思いました。
「みんなでPerfume」。つまりそれって、「WE ARE Perfume」ということやな。
10年前のタイトルが、10年後のクライマックスで意味として立ち上がってくる。あくまで筆者にはそう見えた、という話ですが、この読み方に気づいたときは鳥肌が立ちました。
繋がっとる!!!
② 映画の締め方も一致している
もうひとつが、ラストの締め方です。
| 締め方 | |
|---|---|
| WE ARE Perfume | 英語ver.の自己紹介挨拶 → タイトルバックが出て映画タイトルにつながる |
| コールドスリープ | 日本語の自己紹介挨拶 → 会場の歓声が広がり、映画タイトルが出て終わる |
どちらも自己紹介の挨拶で映画が締めくくられています。
前作は挨拶がそのままタイトルに接続し、最新作は挨拶と歓声のあとにタイトルが出て終わる。
ここ、Perfumeのライブを知っている方ほど引っかかるポイントがあるのではないでしょうか?
Perfumeのライブには定番の挨拶が2種類あるんです。
- 始まりの挨拶:3人それぞれが名乗り、最後に「3人合わせてPerfumeです」
- 締めの挨拶:「それでは!Perfumeでした、ありがとうございました」
Perfumeのライブは必ず後者で終わります。
ところが『コールドスリープ』は、映画の締めに”始まりの挨拶”のほうが使われていました。
この点については、ある舞台挨拶で観客から質問が出たそうです。なぜ締めの挨拶ではなく始まりの挨拶にしたのか、と。
監督からは、コールドスリープが明けて戻ってきたあとのライブの最初の挨拶のようなイメージを込めた、という趣旨の回答があったそうです。そして『WE ARE Perfume』の「Are you ready?」のようなもの、という言い方もされたとのこと。
⚠️ 筆者が直接聞いたわけではなく、伝え聞いた内容です。正確な言い回しは異なる可能性があります。
ただ、監督自身が説明のなかで前作に言及していたという点は大きいと思います。2本のつながりは、観客の深読みだけではないのかもしれないです。
なお「MY COLOR」の一致については、監督の言及を筆者は確認できていません。意図的なのか偶然なのかは分かりません。そこは断定せずに、ひとつの読み方として受け取っていただければと思います。
✅ネタバレを含む話はここまでです。
ここからは、2本の映画の関係についての話に戻ります。
だから、2本続けて観てほしい
これが、この記事を書いている理由です。
『コールドスリープ』を単体で観れば、25年の集大成を描いた作品として完結しています。それだけで十分に素晴らしい体験ができます。
でも前作を知っていると、終わりの記録ではなく、10年前に世界へ挑んだあの3人の”続き”として見えてくる。同じ映画が、まるで違う顔を見せてくれます。
👇️過去の再上映についてはこちらの記事でも触れています

どっちから観る?タイプ別ガイド
ここからは具体的に、あなたに合った観る順番を提案します。
Perfumeを最近知った方 →『WE ARE Perfume』から
公開順で観るのが素直です。
2014年、世界を回っていた3人の姿。その頃を先に観ておくと、『コールドスリープ』での25年の重みが段違いに響きます。
成長の物語として、順番どおりに味わえる観方です。
前作を観る手段については、次の章でまとめています。
『コールドスリープ』を劇場で観た方 → 前作を”答え合わせ”として
すでに『コールドスリープ』を観てしまった方も、まったく問題ありません。むしろ楽しみが残っています。
『WE ARE Perfume』を後から観ると、「あのシーンはここにつながっていたのか」という発見が次々に来ます。筆者が体験したのがまさにこれでした。
先に紹介した2つの構成の一致も、この順番だからこそ気づけたものです。
どちらも未見・時間が限られる方 →『コールドスリープ』1本でも成立します
2本で4時間近く。まとまった時間が取れないという方もいると思います。
その場合は『コールドスリープ』1本で構いません。
最新作はデビューからの歴史も描いているため、Perfumeを知らない方が最初に観る1本としても成立します。前作を観ていないと分からない、ということはありません。
気に入ったら、そのあとで前作へ遡ればいいだけの話です。
2本続けて観たい方 → 間隔は空けないほうがいい
いちばん贅沢な観方です。
おすすめはあまり間を空けずに観ること。前作の記憶が鮮明なうちに最新作へ進んだほうが、構成の一致に気づきやすくなります。
筆者は10年空いてしまいましたが、それでも気づけました。逆に言えば、続けて観ればもっと見えるものがあるはずです。
2本を観る方法【円盤・配信】
『WE ARE Perfume』を観る方法
『WE ARE Perfume』はBlu-ray・DVDが発売されています。
発売は2016年7月6日。初回限定盤と通常盤があり、それぞれBlu-rayとDVDの計4種類が出ています。
この円盤、特典がかなり充実しています。
- メンバー3人が当時を振り返る副音声
- 映画に収まりきらなかったSXSWの裏側
- 佐渡監督によるメンバーインタビュー
- 初回限定盤には特典CD(中田ヤスタカさんが映画のために書き下ろした楽曲、リアレンジ楽曲を収録)
副音声はかなり良いです。10年前の自分たちを見ながら3人が話すという構造そのものが、いま観ると味わい深い。
⚠️ 配信について。2026年8月時点で、主要な動画配信サービスでの取り扱いは確認できませんでした。今後配信される可能性はありますので、最新の状況は各サービスでご確認ください。
『コールドスリープ』を観る方法
2026年8月時点で、Blu-ray・DVDおよび配信は未発表です。
参考までに、前作は劇場公開の翌年にBlu-ray・DVDが発売されました。ただしこれはあくまで前作の話なので、最新作がどうなるかは分かりません。
なお、劇場での上映が続いている場合もあります。上映状況や特典、チケットの情報は下の記事で随時更新していますので、そちらをご確認ください。円盤・配信の発表があった際も、当サイトでお知らせします。
配信でPerfumeの映像作品を観るなら
ドキュメンタリー以外にも、Perfumeの映像作品は配信で観られるものがあります。
ライブ映像から入りたい方は、こちらの記事もどうぞ。
まとめ
Perfumeのドキュメンタリー映画は2本。
- 2本は同じ監督が10年の間隔で撮った、いわば「10年越しの前編と後編」
- 続けて観ると、構成の一致に気づける
- 観る順番のおすすめは公開順。成長が体感できる
- ただし『コールドスリープ』1本でも成立する
10年ぶりに前作を観直して、いちばん強く思ったことを書いて終わりにします。
『コールドスリープ』は、終わりを記録した映画ではありませんでした。
10年前に世界へ飛び出していったあの3人の、続きだったんです。
2本並べて初めて見えるものがあります。時間があれば、ぜひ続けて観てみてください。
それでは✋️
⚠️ 記載内容は2026年8月時点の情報です。円盤の発売状況や配信の取り扱いは変わる可能性がありますので、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
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